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2025年9月8日 皆既月食スマホ撮影ガイド

2025年9月8日早朝、東京で楽しめる皆既月食をスマホで撮影するためのポイントをまとめました。素人でも撮れるコツや必要な準備、当日のタイムスケジュールをご紹介します。

1. 準備編:ロケーションとアプリ

  • 見通しのよい南~南西の開けた場所を選ぶ(建物や樹木が邪魔にならない公園や川べりなど)

  • 天気予報で快晴を狙う。雲が多いと月が見えづらいので直前までチェック

  • スマホ用三脚&ホルダーを用意するとブレが激減。手持ちの場合は壁や手すりに立てかけるだけでも効果大

  • 無料の天文アプリ(Stellarium、SkySafari、ランリーナなど)で

    • 東京の位置

    • 「2025-09-08 01:00–05:30」の時間帯

    • 月食フェーズと月の出没方向を事前にシミュレーション

  • 同じ時刻であっても月が見える方位や高度は異なります。とくに東日本では、食の後半から終わりには月がかなり低くなるので、西の空の開け具合や建物の様子などを事前に確認しておきましょう。

2. タイムスケジュールと方位

フェーズ

時刻

方位

メモ

部分食開始

1:27

南西

地平線近くの月縁が欠け始める

皆既食開始

2:31

西南西

月全体が本影に入り、赤銅色のブラッドムーンとなる

食の最大

3:12

西

月面が最も深く影に覆われ、赤みが強まる

皆既食終了

3:53

西北西

月が本影から出始め、再び明るさを取り戻す

部分食終了

4:57

西

欠けが完全に戻り、満月の姿に戻る

地球の影の境界はシャープではないので、開始・終了時刻は目安

3. スマホ撮影の基本設定

  1. モード選択

    • 「夜景モード」または「Pro(マニュアル)モード」が使えればベター。なければ通常のカメラでもOK

  2. フォーカス&露出固定

    • 画面を月にタップしてピントを合わせ、「AE/AFロック」で固定

  3. 露出調整の目安

    • 部分食前後:-0.5~-1.0EV(明るい空に埋もれないようやや暗め)

    • 皆既中(ブラッドムーン):+0.5~+1.0EV(赤い色を捉えるため少し明るめ)

  4. ズーム

    • 光学ズーム(×2~×3)以内を推奨。デジタルズームはノイズが増えるので控えめに

  5. 手ブレ対策

    • 必ず三脚 or スマホホルダー+タイマー(セルフタイマー3秒)/ リモートシャッターで撮影

4. 撮影テクニック&アイデア

  • 段階露出(ブラケット) 露出違いで数枚撮っておき、あとからベストショットを選ぶ

  • タイムラプス スマホアプリで数秒間隔のインターバル撮影を設定し、欠けから皆既、明るく戻る様子を動画化

  • 隣景物を入れる ビルのシルエットや公園の樹木をフレームに入れると、月食のスケール感が際立つ

  • RAW撮影(対応機種のみ) 後から明るさや色味を細かく調整可能

5. 当日の観察ポイント

  • 早朝は気温が下がるので、防寒対策をしっかりと

  • 会場周辺に障害物がないか到着前にチェック

  • 可能なら部分食前(U1直前)にリハーサルで設定を確認しておく

  • もし雲が出ても、部分食だけでも十分ドラマチック。根気よく待機を

6.他の年・地点でのシミュレーション手順

  1. Stellarium や SkySafari など天文アプリをインストール
  2. 観測地点(任意の都市や緯度経度)を設定
  3. イベント日時を入力(例:2025-09-08 02:00–08:00)
  4. 月食フェーズ表示と高度・方位グリッドをオンにして確認
  5. 過去/未来の「年間7回年」(1982年、2005年、2094年など)でも同様にシミュレート可能

7.なぜ皆既月食中の月は暗くならないのか?

月食スマホ撮影


皆既月食では月が地球の本影(Umbra)に完全に入り、太陽光が直接当たらなくなります。しかし完全に暗くならず、赤黒く輝くのは地球大気による屈折と散乱の影響です

1. 大気による光の屈折

  • 太陽から届いた光線は地球大気の縁を通過する際、大気の屈折率の変化で進行方向を曲げられます。
  • この屈折光は本来の影の領域(Umbra)内に入り込み、月面をかすかに照らします。

2. 波長による散乱の違い

  • 大気中の分子やエアロゾルが短い波長(青・緑)の光を強く散乱させます。一方、波長の長い赤・オレンジ光は散乱されにくく、比較的直進します。
  • 散乱を免れた赤系光が月面に届くことで、皆既月食中の月は赤銅色(ブラッドムーン)に見えます。

3. 明るさと色調の変動要因

  • 大気中の火山灰やエアロゾルの濃度が高いと、より多くの光が散乱・吸収され、月の見かけの明るさが低下します。
  • 清浄な大気ほど赤味が鮮やかに、暗さも抑えられます。これを定量化したのが「ダンジョン尺度(Danjon Scale)」です。

8.まとめ

スマホでもこれだけ準備しておけば、肉眼以上に美しい皆既月食を撮影できます。ぜひ次回の天体ショーを楽しんでください!

ただし、すべては天気次第です。

 

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